Programmable Wirelessをご紹介します
こんにちは、ももんが大好きの小山です。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今日は、先日一般向けにリリースされたTwilio Programmable Wireless(以下 Programmable Wireless) をご紹介したいと思います。
Programmable Wirelessとは
Programmable Wireless は、これまで比較的小さな規模で評価、展開することが難しかった M2M/IoT 向けの GSM 通信機能を月額3.00米ドル*、1回線から利用できるようにした画期的な製品です。Programmable Wireless は、伝統的な公衆交換電話網 (PSTN) によって提供される自動応答ソリューション (IVR) をオンラインで瞬時に作成、変更することを可能にした Programmable Voice で知られる Twilio, Inc. が提供します。
*SIM カードを休止 (サスペンド) した場合の料金は月額0.35米ドルです。
製品の特徴
Programmable Wireless の特徴は以下の通りです。
- 最低使用期間や最低購入数量などの制約はありません。
- 通常の Twilio アカウントとクレジットカードがあれば誰でも始められます。
- 通信機能は T-Mobile (米国) のネットワークを用いて提供され、米国内を含む世界各国のネットワークを用いたローミングがそのまま可能です。*
- 音声通話機能、ならびに SMS 機能はそれぞれ Programmable Voice、Programmable SMS との統合が予定されています。*
- データ通信機能では既定でインターネットへの接続性が提供され、トンネル接続によるオンプレミスとの Site-to-Site VPN (Twilio Interconnect) も提供される予定です。**
*日本国内の場合は NTT ドコモとソフトバンクのネットワークでローミングが可能です。
Programmable Wireless: Available Operators - Twilio
**VPN for Programmable Wireless - Twilio
使用開始の流れ
Programmable Wireless は、広く普及したSIMカードとEmbedded SIMの両方で提供されます。SIM カードは Twilio のコンソールページから注文でき、事前評価に最適なStarter Kitでは任意の Twilio アカウントでアクティベートできる3つの SIM カードが入手できます。
SIM カードをアクティベートする際には、あらかじめ作成したRate Planを指定します。Rate Plan では、その SIM カードで使用できるサービス (音声、SMS、データ)、米国内ローミングと国際ローミング、適用したいプラン (PAYG、もしくはクオータ付きの PAYG)、データ通信量の上限 (MB/Month) を設定できます。
Starter Kitとして入手した SIM カードは、任意の Twilio アカウントで使用することができます。SIM カードの登録は、SIM カードの隣に印字されている Registration Code をコンソールページから入力して行います。
コンソールページで登録した SIM カードにはアクティベーションがスケジュールされ、数分で使用可能になります。
機能: Commands (SMS)
Programmable Wirelessの代表的な機能であるCommandsは、SMS で制御、監視されることを前提に設計された M2M 機器をインターネットから操作できるようにする機能です。コマンドは、Programmable Wireless のみで動作する特別な電話番号 (2936) と SIM カードの一意な ID (SIM SID) の間で送受信されます。
M2M 機器が Programmable Wireless に対して送信した SMS (コマンド) は、あらかじめ指定した API エンドポイントに対して POST されます。Programmable Wireless で送受信されたコマンドは、コンソールページから確認することもできます。
M2M 機器に対して SMS (コマンド) を送信したい場合、Programmable Wireless の API エンドポイントに対してリクエストを行います。Programmable Wireless で送信するコマンドは、ASCII 文字とバイナリのいずれかで送信するよう指定することができます。
機能: データ
インターネットへの接続性は、Programmable Wireless が接続されるネットワークである T-Mobile (米国) によって直接提供されます。既定のデータ通信に用いる APN は wireless.twilio.com ですが、Interconnect (Site-to-Site VPN) を選択する場合は wireless-vpn.twilio.com です。
料金の例
以下では、Programmable Voice を日本国内で使用した場合の料金を参考としてご紹介します。
以下の例は2018年4月時点の料金を基準にしています。実際の料金、ならびに最新の料金については Programmable Wireless の料金ページを参照してください。
月額使用料
アクティブな SIM カードが 500 以下の場合、月額使用料は SIM カードあたり2.00米ドルです。
SMS ("Commands")
Twilio の API を用いて M2M デバイスとの間で SMS を送受信するCommandsは、1通あたり0.017米ドルです。
データ (PAYG)
Programmable Wireless の SIM カードでデータ通信を行った場合、日本国内の料金は1MBあたり0.10米ドルです。
データ ("Quota")
SIM カードの Rate Plan で Quota (最低料金額) を設定すると、その金額に応じてデータ通信への割引が適用されます。 Quota の金額ごとに適用される割引は以下の通りです。
- 50米ドルの Quota を設定した場合: 0.025米ドル/MB
- 10米ドルの Quota を設定した場合: 0.04米ドル/MB
- 1米ドルの Quota を設定した場合: 0.05米ドル/MB
- Quota を設定せずに PAYG のみで使用した場合: 0.10米ドル/MB
*Quota を設定したにも関わらず1月のうち実際に使用した料金がその Quota を下回った場合、使用しなかった分は月末にまとめて請求されます。
実際の使用例
50の M2M デバイスで毎日2件のコマンドを送受信した場合
月額使用料は2.00 x 50 = 100.00米ドル、コマンドの料金は0.017 x 2 x 50 x 30 = 51.00米ドルです。
15の M2M デバイスで毎日5MBのデータを送受信した場合
月額使用料は2.00 x 10 = 20.00米ドルです。Quota を設定しなかった場合のデータ料金は0.10 x 5 x 15 x 30 = 225.00米ドル、 50米ドルの Quota を設定した場合のデータ料金は0.025 x 5 x 15 x 30 = 56.25米ドルです。
タブレット PC で毎日30MBのデータを送受信した場合
月額使用料は2.00米ドルです。Quota を設定しなかった場合のデータ料金は0.10 x 30 x 30 = 90.00米ドル、 10米ドルの Quota を設定した場合のデータ料金は0.04 x 30 x 30 = 36.00米ドルです。
Programmable Voiceは緊急通話をサポートしません。主に使用する通話手段としてProgrammable Voiceを選択しないでください。
おわりに
今回は、新しくリリースされた Programmable Voice をご紹介しました。次回は、Programmable Wireless と Programmable Voice/SMS を組み合わせた場合に実現できることをご紹介したいと思います。お楽しみに!
おまけ
今回、Programmable Voice 提供開始のメールが届いてすぐに注文したStarter Kitは2日後に届きました。